初心者サークルはチラシやフライヤー他、無償頒布物は刷るな!

 これから始めてコミケやCOMITIA、他の同人誌即売会に同人サークルとして参加なされる方や現在既に活動中の弱小サークル運営者の方で、チラシやフライヤー他、無料配布物を伴う出展を行ってみよう/行ってる方、いらっしゃいますか?

 はい、今すぐ“それら”の考えを捨てて下さい!

 それ、ただの“ゴミ”になります!!w

 もし、サークルブース/サークルスペースで、無償頒布物をテーブルに置きたいのであれば、メインとなる頒布物(イラスト本/漫画本他)全てを“無料”にすべきです。←コレくらい【重要】な内容になりますので、是非、本記事をご一読下さい。

チラシやフライヤーは……誰も見ない!!!?

 ほンの少し暴論ではありますが、ほぼ間違いありませン!w

 より正確には、条件次第、です。

 チラシやフライヤーの類、つまり、無償頒布物を手に取って読ン貰える条件とは、中堅サークル以上の“固定ファン”の方々だけです。

 実際に、当サークルの経験談とその論理的な理由についてお伝え致します。

当サークルの失敗談

 当サークル『げきがタイム奇らら』は、23年夏コミ(C102)に初参加致しました。

 初参加にして同人誌3冊同時発売、600部持ち込ンでおります。その際、他にも何か必要なのではないか、という考え方に加え、たまたまX上でコンタクトのあった同人専門印刷所のアカウントとの兼ね合いから、チラシを100部~300部刷りました(詳しい部数は忘れたw

 ついでに、スペースに並べるモノに幾つかの種類(種別)があった方が良いのかも、等とも考えました。

 勿論、チラシですから無償頒布するモノとして用意しましたが、コレが何とも……w

 恐らく、実際に配ったチラシの数は、数枚、だった筈です!?w

 ついでに、メロンブックスが主催する「第2回 秋葉原超同人祭PLUS(ウチが参加した唯一のコミケ以外の同人誌即売会:C102の後に開催」において、メロブ主導によるチラシ作りを利用しましたが、コレに関しては頒布数「0」ですw

 結論から申し上げますが、有償頒布物がある場合、そちらをアピールする事が必須であり、ブースでお客様とのやり取りのお時間の都合上、チラシを一緒に配る“ヒマ”や“手間”に費やす時間はありませン!!!w

 作ったチラシ、そのほぼ全てがゴミになりましたw

 はい、当然、C103以降、チラシやフライヤーの類は一切作っておりませン!元々、ファンの方に配る用として作った名刺は今も配布しておりますが、初回に刷ったモノがまだまだ残ってます(コレすら配る暇がない!w

 ごく簡潔に云ってしまえば、有償頒布物がある場合、そちらの頒布を優先しますから無償頒布物をアピールしたり、手渡す為の労力は無駄になる訳です。そンなヒマがあるのなら、一期一会の為に声掛けした方が遙かに有意義なンです!!!w

 当サークルの場合、弱小サークルとは云え、有償頒布数はキャパいっぱい刷っており、それなりに捌いている為、何のPRにもならないチラシやフライヤー等配る謂われがそもそもないンですネ!w

 コレが現実ですw

チラシやフライヤーの効果って?

 チラシやフライヤーそのものに効果がない、とは云っておりませン。

 効果はあります。但し、それはあくまでも、読ンで貰えた時のみ、ですw

 例えば、中堅サークル以上でブースの前に“行列”ができる程、人気のあるサークルの場合、頒布物購入迄の待ち時間にチラシやフライヤーを渡しておき、予め頒布物の確認や既存グッズの再確認、ネット販売限定商材への訴求等、待機時間という隙間時間を有意義に過ごさせる手法のひとつとして活用できます。

 行列のできないサークル、乃ち、当サークルのように、声掛けや呼び込みに注力する程度の弱小サークル(頒布数1,000未満500前後)の場合、ま~ったくチラシの効果を得る機会にない、と云える訳です。

 もし、当サークルが今後、チラシやフライヤーを用意する事があるとすれば、それはある程度行列が出来るくらいのサークルに成長した時以降のお話であり、果たしてそンな日が来るのかどうか疑わしい……乃ち、現時点でチラシやフライヤーを用意するつもりは毛頭ない、となる訳ですw

チラシ、皆さン、見ます(受け取ります)か?

 よくご自身の事を考えてみて下さい。

 例えば、街中で配布しているチラシやフライヤー、皆さん、受け取ってますか?

 あるいは、郵便ポストに投函されたチラシやフライヤー、隅々まで読ンでますか?

 およそ、殆どの場合、街中では受け取る事はせず、郵便受けに入っているチラシも、軽く目を通す程度の筈です。

 そうなンです、自分がそもそも興味を持っていないチラシやフライヤーの類って、ほぼ“見ない”ンですw仮に見たとしても、その全てに目を通す事は極めて稀で、流し見して余程印象深くなければ、そのままゴミ箱行きなンです。

 実際、まだコレから同人誌即売会に参加する方には分からないかも知れませんが、既にコミケ等に参加経験のあるサークル運営者の方であれば理解できると思いますが、会場入りして自身のサークル・スペースに到着し、一番最初にヤル事と云えば、サンプル本提出の為の封筒を、膨大に置かれたチラシ群の中から探す事ではありませンか?w

 サークル設営する前段階でまずヤルべき事は、その封筒を手にして分け、膨大なチラシ群を始末(処分)する事から始まる筈です。

 そうなンです、その置かれたチラシ群に目をやる時間は、そもそも“無い”ンです。それらのチラシに隈無く目を通していたら、設営どころか開場しても読み終えない程度のボリュームになる筈です。それくらい、邪魔、なンです、チラシの類w

自分が見ない(読まない)モノを、相手が見る(読む)ハズがない(等価原理

 自分がしない事は、第三者も大抵しませン!

 チラシやフライヤーを、多忙な時でも目的が別にあっても急いでいる時であっても必ず受け取り、必ず読み込む……もし、こンな方がいたとしたら、変わり者過ぎますから基準/指標になり得ませン。

 通常、時間的余裕がある時、もしくは興味対象に合致している時にしか、自身にとって不要な情報も多く載っているチラシやフライヤーを手にして見る事はありませン、これが原則です。

 つまり、アナタや私のサークルや頒布物に興味のない第三者は、それが無料(無償)だとしてもチラシやフライヤーを受け取る事は稀であり、仮に受け取って貰った処でしっかり読ンくれる保証は、ほぼ皆無、です!

 頒布、とは乃ち、第三者が手に取ってくれる事を指します。要は、その頒布物が無償/有償問わず、手に取ってくれる事が前提であり、実際にその内容確認迄もして貰えるか否かは、更にその先のお話になる訳です。

 もっと極端な話をしてしまえば、有償頒布物を購入しない第三者にとってみれば、無償頒布物を手にとる必要すらない事を意味します。

 稀に、購入はしてくれなくても、配布しているチラシやフライヤーを手にとってくれる方もいらっしゃると思いますが、次の機会にその方が有償頒布物を購入してくれる可能性は、ほぼ0%です!wこれは単に、購入はしないけど、ちょっと興味を持ってますよ、というお客さンなりの気遣いでしかなく、見込顧客たり得ません。その程度なンです!w

 まず、覚えておくべき事は、チラシやフライヤーの類は、広告物の一種であるという事実。そして、大半の皆さンは、それら広告物が大体、嫌い、です!w

 広告物を嫌だと思わない方は大抵、その広告対象物のファンか、あるいは、広告業界の人間だけですw

頒布すべきモノは、チラシやフライヤーではない!

 チラシやフライヤーは“広告物”とお伝えしましたが、アナタの頒布物(イラスト本や漫画本、グッズ、CD他)は一体、何ですか?

 一次創作でも二次創作でも、それは創作物ですよネ?

 勿論、クリエイティブと括った時、チラシやフライヤー等、広告物もまた、創作物の一種ではありますが、広告物と創作物の大きな違いは、それ単独で楽しめるか否かです。

 仮に、有償頒布物がイラスト本だとしましょう。用意したチラシには、その一部のイラストを転用し、PR内容を記載しておいたとします。

 この場合、等しくクリエイティブではありますが、PR目的のペラ一枚と成果物としての創作物という違いが現れます。余程、フライヤーのデザイニングや演出が上質でもなければ、ペラ一枚は捨て置かれ、成果物たる創作物、この場合であればイラスト本を手に取る筈です。

 これが、頒布物が捌けた、という事になります。

 イラスト本であれば有償頒布物でしょうから、制作費の一部を賄える事を意味します。

 では仮に、PR目的で一部イラストを転用したチラシの方を持っていった方がいたとしたらどうでしょう?

 この場合、気にはなったがお金を支払う迄もない/一応、貰っておくか、タダだし、となります。これは丁度、SNS上でのイイネやブックマークに近しい状態です。SNS上でのアクションは、全て無料です。つまり、気になったから記録はしとくが、金を払って手に入れる程のモノではない、という程度の認識です。

 簡単に云えば、お客様ではなく、見込顧客でもない。広く潜在顧客ではあるものの、マネタイズ(収益化)迄には程遠いユーザー、そンな状況にあります。

 要は、無償頒布物と有償頒布物双方を同じ卓に並べた時、買う買わない以外の選択肢を第三者に与えてしまい、頒布者(サークル側)の受動的アクション数が増えてしまう訳です。これは偏に、機会損失を生むだけの結果になる訳です。

 サークル・スペースに配置したアイテム群は、出来る限りシンプルにした方がよく、そのシンプルな特定の創作物に興味を抱かない第三者には、速やかに立ち去って貰った方が、同人誌即売会という短時間でのイベントには効果的、と云えるのです。

 また実際、クリエイター(絵描き)としての立場からして、気に入って貰えなかった方、正確には、お金を払って迄購入する程ではないと判断した第三者に、クリエイターサイドが使う時間は、実に勿体ない!w

 目の前の第三者が、自身の創作物のファンであるか否か/ファンになるか否か、を見抜く時間的閾値を弁え、淡々と判断して対応して行きませンと、コミケのように限られた時間内で頒布する場所ではマイナスになってしまいます。

 要は、チラシやフライヤー他、無償頒布物を配る時間は無駄、という事になります。

0円と1円の差は決定的!

 以前の記事「少部数はダメ!少なくともコミケではッ!」でも記載しておりますが、同人誌即売会、特にコミケのような大きなお祭において、それを楽しむ消費者達にとって頒布価格の大小/高低は、購入意思決定の最終指標たり得ません。

 いらないモノは50円でも100円でも買わず、欲しいモノであれば1万円でも10万円でも買うンです。それが、趣味、なのです。

 では、0円のモノ、乃ち、無償頒布物はどうなのか?

 当然、趣味の世界ですから、0円のモノですら無価値と全員が判断するとは云い切れません。断定は出来ませんが、しかし、無価値ではなくとも興味がなければ無視され、無意味と見なされます。無意味とされた場合、それはゴミ同然となり、手荷物の邪魔になると判断されます。この時点で第三者が能動的に手に取る可能性はグッと下がります。

 仮に、1円でも良いですから、値を付けてみて下さい。

 1円でも値を付けた時点で、第三者はソレを商品と見なします。商品と見なした頒布物の場合、それを能動的に手に取る方は、それを支払う可能性が0%ではなくなり、万が一の可能性として、多くは面白がって1円支払ってくれる可能性があります。

 そして、1円を支払って購入してくれた方は、多少なりとその頒布物を見ます(読みます)。

 これが、無償頒布物と有償頒布物の差であり、その決定的な違いを意味します。

総括

 今回、敢えてチラシやフライヤーを主とした無償頒布物の非推奨を謳ったのには理由があります。

 資源の無駄や有償頒布への注力、その効率性云々を云いたい訳ではなく、クリエイターや頒布者が陥りがちな勘違いを払拭する事が目的です。

 無償頒布物を普段からブースに矢鱈並べるサークルが新刊を落とした時、得てして苦肉の策で拵えたコピー本のような簡易的なナニかを無償配布する傾向が高い為です。そして、これらの傾向が高いのは、初心者サークルや弱小サークルに多く見られます。

 実際、昨年末の冬コミ(C105)で上記のようなサークルを目にしております。

 実態としては、新刊がなく、既刊のみが並べられ、しかし、その殆どが売れない為、無償頒布であるコピー本をPM1:30くらいから必死にPRし始め、何とか無償頒布物を幾つか配る、といった具合です。

 このようなケースでは、次に繋がりません。

 新刊がないのであれば、既刊を捌く事に注力すべきなのです。いつ、どのイベントで刊行されるか分からない新刊をPRする為に無償頒布に注力するくらいであれば、創作物として作品の体を成している既刊の頒布に注力した方が、まだマシなンです!

 タダだから、気乗りはせずとも貰ってくれた方達が、後日、有償頒布物にお金を払って購入してくれる可能性はほぼ皆無です。であれば、既刊の有償頒布物を少しでも捌いた方が、ファンになってくれる可能性は、まだ高いです。

 この差異が分からないと、いつ迄経っても弱小未満サークルのままです。

 皆が皆、サークル規模を大きくしたい訳ではありません。ですから、頒布数が右肩である必要は、当然ありません。しかし、反響というモノは、クリエイターである以上、気になるモノです。より正確には、反響次第でクリエイティブへのモチベーションは大きく左右されます。

 勿論、コピー本10冊完売でモチベを維持できる方もいれば、無償頒布物が幾つか捌けてモチベを維持できる方もいらっしゃると思います。これ自体は、サークル主個々の判断ですから何の問題もありません。

 ですが往々にして、乏しい反響、つまり壁打ちでは限界が訪れます。特に、第三者からの反響、乃ち、第三者視点が乏しい場合、クリエイティブそのもののクオリティ向上は、まず見込めません。

 時折、SNSでも見掛けますが、屈強なメンタルを持つ絵師さン(絵師を目指している、が正しい)が技術や情報度外視で自分自身の好みのみを追求した壁打ちをしている様子がありますが、このタイプの方は1年経っても2年経っても更にどれだけ時を重ねても全く上達しませン!

 極端にインプット力/アンテナ力が低い為、必然、アウトプット力が鍛えられない訳です。

 勿論、SNSは自身のアカウントでのみ完結しますから、孤独であっても独善であっても構いません。

 ただ、コミケのような同人誌即売会の場合、サークル参加数に上限があります。何故なら、SNSのようなデータと異なり、施設そのものの面積的に有限だからです。

 壁サークルのような大手サークルは持て囃されますが、第三者との関わりを度外視した弱小未満の壁打ちサークルばかりだと、抽選落ちしたサークルさンは勿論、そこに配置された近くのサークルさン達に迄迷惑をかけてしまう可能性があります。

 考えてみて下さい。チラシばっかり配ってるサークルが隣りになった時、アナタならどう思いますか?ちょっと違和感ありませンか?

 是非、これから同人誌即売会に参加してみようと思ってらっしゃる初心者の方や、既に活動なされていらっしゃる当サークルのような弱小サークル主の方々は、この当たりに気を付けてみて下さい。

 コミケのような規模の大きい同人誌即売会ですとお祭ですから、そのお祭り騒ぎに高揚して(呑まれて)意外と基本的なクリエイティブ活動の本質を見逃してしまいがちです。

 是非、客観的な視点を忘れず、創作活動を楽しンでみて下さいネ♪

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現代最凶の呪術絵師“性帝”プレゼンツ

長い事プロの世界で絵描きをしてますが趣味の世界における同人サークルは初心者のひよっこです♪

壁サークルを目指し、ついでにSnow Manの佐久間君が買いに来てくれる事を目指し、日々精進して参りますのでよろしくねぇ~♡

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